質量分離の原理
単収束扇形磁場型質量分析計
magnetic sector mass spectrometer
一定のエネルギー(電圧)で加速(加速電圧)された同じ質量電荷数比のイオンは、一様磁場の中を通過する時その方向に多少の開きがあっても同一点に収束させることができます。これを方向収束(Direction focusing)といいます。
一定のエネルギー(電圧)で加速(加速電圧)されたイオン群が一様磁場の中を通過すると、軽いイオンほど軌道が曲げられます(分散)。
そこで、それぞれの質量を持ったイオンが検出器に収束する様に磁場強度を走査することにより、質量スペクトルが得られます。
単収束の場合、イオン群の速度(加速電圧)にばらつきがある場合はそれぞれの速度毎に収束するため分解能が低下します(光の場合色収差と呼びます)。そこで速度の収差を補正するため(速度収束(Velocity focusing))に二重収束扇形磁場型質量分析計が考案されました。
 |
 |
一様磁場中のイオンの軌道−収束− |
一様磁場中のイオンの軌道−分散− |
電場を磁場の前方(正配置型、EB型)または後方(逆配置型、BE型)に配置してイオン群の速度(加速電圧)のばらつきを除き分解能を上げた装置です。電場はイオンの質量、荷電数に関係なく実行加速電圧が一定のイオン群のみを通過させるため(速度収束)単収束質量分析計と違い高分解能測定が可能となります。
 |
二重収束扇形磁場型質量分析計 |
Qマス(QMS)またはマスフィルタとも呼ばれ、4本の円柱状電極からなります。相対する電極を電気的に結合しておき、それぞれに正負の直流と高周波交流電圧をかけ電場を作ります。その中をイオン群が通過する時振動しながら通過し、電圧、周波数に応じある一定のイオンのみ安定な振動をして電極内を通過し、それ以外のイオン群は振動が大きくなり電極に衝突し電極を通過することができなくなります。直流と交流電圧の比を一定に保ちつつ交流電圧を直線的(リニア)に変化させる事でスペクトルをとることができます。
電極に高周波交流電圧のみをかけた場合、すべてのイオンが安定した振動を示します。その性質を利用しトリプル四重極型質量分析計やハイブリッド型質量分析計などのタンデム質量分析計の衝突活性室に利用されています。
 |
四重極型質量分析計 |
 |
四重極イオントラップ型質量分析計 |
 |
飛行時間型質量分析計 |
 |
リフレクトロン飛行時間型質量分析計 |