イオン化法の説明(質量分析計とはも合わせてご覧ください)
電子線の近傍で瞬間加熱を行ない試料が熱分解を起こす前に気化させイオン化させる方法で、熱不安定物質や難揮発性物質の測定が可能になります。さらに、通常の直接導入法におけるEI法より分子イオンが強く出るため分子量情報が得やすくなります。
| 試料とマトリックス(Glycerol、Thioglycerol等)を良く混合し、ターゲット上に塗布しXe等の高速中性原子を衝突させイオン化します。測定後の試料ターゲットを見るとまさに爆撃を受けた様にビームが当たった所がクレーターの様に穴が空いているのがわかります。EI、CIと違い試料を気化させる必要がないため、熱不安定物質や難揮発性物質の測定に適しています。しかし、低質量域にはマトリックス由来のバックグラウンドピークが強く現れるため低分子量の試料は測定が難しい場合があります。その場合はFRIT-FABによる測定が有効です。下のスペクトルのようにマトリックスに使用したGlycerolのクラスターイオン(m/z 185、277)が強く出てReserpineの分子イオン m/z 609 が相対的に小さくなってしまいます。 |
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Continuous-flow FABとも呼ばれ、マトリックス溶液に溶解した試料を連続的に流し溶出液出口を高速中性原子で衝突させイオン化させます。FRIT-FABの場合、溶出液出口にステンレス製フリットを置きフリット中央より滲ませることによりイオンビームの安定性、試料の濃縮がはかられました。このことにより、LC/MSインターフェイスとして利用されています。また、LCよりカラムを外しフローインジェクションシステムとすることにより、測定の簡便化、マトリックス由来のバックグラウンド削除、ミリマス測定等が可能になります。下のスペクトルは上のスペクトル測定をした試料をFRIT-FABフローインジェクションシステムにて測定し、バックグラウンドを削除したものです。マトリックスに使用したGlycerolのクラスターイオンが消え、Reserpineの分子イオン
m/z 609 および構造を反映したフラグメントイオンが見られます。更にMS/MS法によるCID(collision induced dissocciation,
衝突誘導解離)により有用な構造情報を多く含んだProduct ionを得ることができる。

