ガスクロマトグラフィ/質量分析法(GC/MS)
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| GC/MSの模式図 |
質量分析計は高感度で物質の同定能力が非常に勝れていますが、物質を分離する能力はありません。そこで通常測定試料は限りなく純粋に精製して測定します。そうしなければそれぞれの物質が混ざり合った複雑怪奇なマススペクトルが測定され同定どころではありません。しかし精製には時間と労力がかかり、さらに多成分を測定する場合は最悪です。そこで、質量分析計の前にクロマトグラフィを繋ぎ簡単な精製・前処理を行なった試料をオンラインで連続測定可能にした装置が開発されました。クロマトグラフィにガスクロマトグラフィ(Gas Chromatograph:GC)を用いたものがガスクロマトグラフィ/質量分析法(GC/MS)です。 GC/MSの登場により多数試料の連続測定が可能となり、さらに極微量試料の定量も可能となりました。特に環境分野では欠く事のできない装置となっています。
ガスクロマトグラフィー:gas chromatography(GC)
装置(ガスクロマトグラフ gas chromatograph:GC)は、試料注入口、カラム恒温槽、検出器およびガスボンベで構成されます。検出器の部分を質量分析計にしたものがGC/MSです。
試料は試料注入口で気化された後キャリアガス(carrier gas:通常はヘリウムガス)によりカラム恒温槽内のカラム(column)へ運ばれカラム内の液相または固相で分離され検出器となる質量分析計へと向かいます。
- 試料注入口
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| スプリット/スプリットレス注入口の模式図 |
試料注入口には、パックドカラム用、スプリット/スプリットレス、クールオンカラム、温度プログラム気化、ソルベントレス等の種類があり目的に合わせて使い分けます。通常はスプリット/スプリットレスが主に使用されます。
スプリット法は試料注入口より注入、気化した試料の一部(1/5〜1/500)のみを分析カラムへ送り残りは捨ててしまいます。利点はカラムへの過負荷を防いだりバンド幅を小さくすることができます。欠点は大部分の試料を捨てるため微量分析には向きません。また、試料を瞬間気化させるため、試料が熱分解を起こす場合もあります。さらに分別蒸留的な現象を起こした場合は元の成分と検出された成分比が異なる場合があり、この場合定量性に欠けます。
スプリットレス法は試料注入時はスプリットベントを閉じ、気化した試料全量が分析カラムへと送られます。その後(30秒〜2分)スプリットベントを開き試料注入口に残留する溶媒等を系外へ排出します。この事により溶媒の大きなテーリングピークを除く事ができます。利点は試料を全量分析カラムへ注入するので高感度分析ができます。また、溶媒効果を利用できる場合はカラム先端部分でのバンド幅を小さくすることができシャープなピークを得ることができます。欠点は上記スプリット法と同じ試料を瞬間気化させるため、試料が熱分解を起こす場合もあります。
クールオンカラム法は特殊なシリンジを使い直接分析カラムの先端に試料を注入する方法です。カラムの初期温度を溶媒の沸点前後に設定し溶媒を除き試料のみカラム先端に濃縮させてからカラム温度を上昇させ分析します。利点はスプリット/スプリットレス法と違い瞬間気化させないため試料の熱分解を引き起こすことはありません。欠点は分析カラムへ直接全試料を注入するため、試料に含まれる不揮発性の物質によりカラムの汚染により性能低下が起こります。この場合はカラムの先端部分を切り捨てれば元に戻ります。
温度プログラム気化法はクールオンカラム法同様試料注入口を低い温度に設定した状態で試料を注入し溶媒を除去後料注入口を急速加熱し試料をカラムへ送る方法です。この方法の最大の特徴は、温度差を利用して多量の溶媒を除く事ができるので大量注入による高感度測定です。
- 分析カラム