ZipTipの操作方法
MALDI-TOFやインフュージョンでのESI測定では試料中の塩の濃度が高い場合NaやKが付加したイオンの強度が非常に高くなったり、イオン化が阻害される場合が多い。そこでピペットチップ型の充填カラムを用いた簡便な脱塩法を紹介します。また、脱塩の他にカラムによる濃縮も期待できます。下の写真はMILLIPOREが販売しているZipTipで、充填量が少ないμ-C18は溶出時の液量が微量で済むため濃縮効果が期待できます。

ZipTip μ-C18とC18
準備する物
50% アセトニトリル、0.1% TFA、50% アセトニトリル、0.1% TFA、サンプル、ZipTip、P10またはP20のピペット。
操作概要
- 湿潤化
ピペットの容量を10μlにし、作業中は変更しない。50% アセトニトリルを3回ゆっくり吸引・排出を行い湿潤化および脱気を行う。なお、この時同時にポリマーの洗浄も行っている。吸引したアセトニトリルは戻さず廃棄する。

- 平衡化
0.1% TFAをゆっくり3回吸引・排出を行いZipTipの平衡化を行う。湿潤化同様吸引したTFAは戻さず廃棄する。
- サンプル吸着
サンプルをゆっくり吸引・排出を行い吸着させる。濃度が薄い場合は回数を増やすほど濃縮の効果が上がる。なお、量が少ない場合(10μl以下)ピペットのストロークで調整し空気が入らないように注意が必要。
- 洗浄
0.1% TFAをゆっくり3回吸引・排出を行いZipTipの平衡化を行う。湿潤化同様吸引したTFAは戻さず廃棄する。また、試料へのコンタミを防ぐために洗浄液は共用しない方が良い。
- 溶出
50% アセトニトリル、0.1% TFAを充填されているレジンの倍の容量までゆっくり吸引し、空中でピペットを垂直にし先端に液玉ができるようにゆっくり排出し、またゆっくり吸引を行う。3〜5回繰り返す事で溶出される。


- 溶出
ターゲットプレートへスポット後マトリックスをスポットし乾燥後測定を行う。
注意
湿潤化液と溶出液のアセトニトリル濃度は必ず揃える事。溶出に70% アセトニトリルを用いる場合は湿潤化液のアセトニトリルも70%とする。
液を排出する場合はピペットの2段目まで押し込まない。必ず1段目のみで操作を行う。
操作中に充填剤を乾燥させない。また、エアーを入れない様に注意する。エアーが入り充填剤が乾燥すると回収率が低下します。
充填剤に吸着されずスルーしてしまうサンプルや吸着し溶出しないサンプルもあるため注意が必要!。