双眼鏡てちょっと

赤 川 富 子



 夜も更けない内にスバルが見える様になって来た。
 それが1年経過の原稿の時期だが、今年私は何をしたかと振返って見ると、野田さん、槇納さん、西川さんと私の4人で、晴天を求めて鹿迫迄行き、夜空に明るく長く尾を引く百武彗星を感激しながら見ていただけだった。
 自宅にいたらあれだけ明るく光る彗星は見れなかったし、又長時間明け方近く迄見る事はなかったので、企画し便乗させて下さった方々には感謝の気持ちで一杯です。ありがとうございました。
 それからもう一つ、石川さんのご好意で7倍50mmの双眼鏡をお借りしたのですが、怠け者の私は眠い、寒い、首が痛いとちらっと望いただけです。でも双眼鏡の視野に広がる空間は、肉眼の何倍もの星が輝いていて、夜空にはこんなに沢山の星があったかと驚きだった。
 それから可笑しい話ですが、オリオン座に最初に双眼鏡を向けた時、斜め横に並んでいるはずの三つ星が上下に並んで見えた。あれ、双眼鏡は望遠鏡と違い像が逆さにならないと聞いていたのに、なんで上下になるのかなあと一瞬喫驚したが、これは拡大された小三つ星だった。
 180度の暗い空間で見る夜空が一番美しいと思うが、望遠鏡と違い双眼鏡は手がるに見る事が出来、7度の空間に沢山輝く星、そして肉眼で見る事の出来ない星雲、星団も見る事が出来て、今の私にはとても良いと思った。
 こんなに良いのだから1日も早く自分の双眼鏡を手に入れたいと考えているが、今年も双眼鏡を買うと言いつつ1年過ぎ、又来年も買うと言いつつ1年過ぎるのかなあと自分の優柔不断に笑止。

 いつもの様に朝が来る。そして夜になる。宇宙的に見ても地球的に見ても総ては不変の様に思う。でも宇宙は今も膨張続けている事だし、地球も色んな変化が起きている。
 緑色に輝く地球もいつかその色失せて、人の住めない世界になるかも知れない。
 変化の少ない宇宙を無限、地球を有限とするのなら、その有限の地に住む私達は、刻々の変化を感じ取り、有限の生を大切に生きたいと私は思っている。
 何千、何千万光年と無限で不変に感じる宇宙空間に輝く星には、有限の人間の永遠の命への憧れかも知れない。さあ今夜も双眼鏡でちよっと観望しよう。


会報”旭天”
星と旭川天文同好会の部屋